ひとりごと




3月某日


前回購入した中古ホイールに付いていたタイヤを、4本とも新品に交換した。
山の残りから見れば、まだ当分は使用できたのだが。



ホイールを交換して数日後のその夜半、クラタク号は広域農道(田圃道ともいう)を
2桁の終わりの方の速度で走行していた。
前方に一時停止の交差点が接近してきたので、一応減速しようと(その時間だと
クルマはほとんど走ってないし、遮る物がないのでいれば見えるのだが)、車速と
距離から予測して充分減速できる程度にブレーキを踏んだ…

その瞬間、タイヤはこれっぽっちも地面をグリップすることなく一気にロックし、
派手なスキール音を立てて滑りだした。咄嗟にブレーキを緩めたので滑走はすぐ
収まったが、停止線はそのまま過走してしまった。



別に、渾身の力を込めてペダルを蹴っ飛ばしたわけでもないし、ブレンボの4ポット
キャリパーばりの制動力を期待したわけでもない。
ちょっと強めにブレーキをかけただけ。
冗談としか思えないグリップのなさ。
瞬間口から出た台詞は「うそーん!?」であった(実話)。

冗談で済ましてる場合ではない。たまたまこういう状況だったからよかったような
ものの、もしこれが本当のパニックブレーキ時だったら?
もし、目前に大型トラックの尻があるときだったら?
もし、何かが飛び出してきたときだったら?
もし、制限速度以上で走っていてレーダーを直前で発見したときだったら?

こんなので高速を*60キロで走っていたかとおもうと…背筋が寒くなる。



後日、晴海のオートウェーブに駐車しておいたところ、ドアにタイヤフェアのチラシが
挟んであった。
『このタイヤは、生産後【7】年が経過しています』
『かなりの劣化が認められます』
『お勧めします、【即交換】





決断。

更に数日後、近所のタイヤ店で交換。
(その間大変大人しく走行していたのはいうまでもない)

ダンロップLE MANS LM701 205/60R15、4本4万円。
三途の渡しの延滞料とおもえば、さほど高くはあるまい。




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